更新日付 2014.07.04
こんちには。
司法書士の大桃です。
今月は後見人として被後見人の不動産を売却する案件が2件あります。
居住用不動産処分許可もおりてますので、あとは代金決済日を待つだけです。
「司法書士」として代金決済の場にいくことはよくありますが、「売主」として参加することはなかなかありません。
いつもとは全く違う立場ですので、とても新鮮ですし、今まで気づかなかったことに気づくことができます。
スムーズに決済が進むように、売主としてしっかり準備しようと思います。
さて、今日は「保佐人の代理権」についてです。
と、言いましてもいつもの豆知識ではなくて、どちらかというと経験談になります。
先日、札幌家庭裁判所に保佐申立を行いました。
自分が元々後見人として関わらせていただいていた案件から派生した申立です。
今回は、保佐案件だったので、どの行為について保佐人に代理権を付与するのか決めなければなりません。
この代理権の選択について、一昔前は、そこまで細かく考えていなかったように思います(裁判所も)。
不動産があれば不動産の代理権、預貯金あるから預貯金取引の代理権、保険あるから保険請求の代理権、相続は今後起きるかもしれないから相続に関する代理権、とりあえず介護契約と医療契約の代理権は必要だろう。訴訟代理権も一応つけとこう。
くらいの感覚でした(多分裁判所も)。
それが、いつからか、成年後見制度全体の考えた方として必要最低限の支援、つまり本人の制限がもっとも少ない方法を選択すべきだという考え方になっていき、気づけば裁判所もそれを徹底するようになってました(あくまで私見ですが)。
今回も、裁判所の方が本人から丁寧に聴取し、代理権付与の必要性、本人の意向を確認していました(代理権付与には本人の同意が必須です)。
のは良かったのですが、これがとても大変でした。
時間がかかった・・
なんせ、本人は保佐状態の方ですし、高齢ですので、意思疎通がうまくいきません。
本当は代理権が必要な事項なのに、本人が質問の趣旨を理解できなかったり、自分の状況を理解できていなかったりで、なかなか首をたてに振ってくれませんでした。
本人に判断能力がある以上、本人の意向が第一なのは間違いないですが、「本人の意向」と「本人の利益」が大きくズレてしまうことがあり、そのときに一番頭を悩ませます。
難しい問題ですね。
今日は以上です。