成年後見
「こんなとき、どうしますか?」
家族が本人の代わりに・・・
銀行に行って、預金の払戻し手続きをしたい。
保険会社に、保険金の請求をしたい。
施設の入所契約をしたり、デイサービスなどの介護サービス契約を結びたい。
遺産分割協議をしたい。
本人名義の不動産を処分したい。
・・・しかし、本人にそれらを決めるだけの十分な判断能力がない。
悪質商法の被害に・・・
判断能力の衰えたところを狙われ、悪質商法に引っかかってしまった。
疑いたくはないけれど・・・
兄が「母の面倒は俺が見る」と言って、認知症の母の財産を管理しているが、どうもその一部を自分の事業につぎ込んでいる節がある・・・。
親切が仇になって、疑われてはやりきれない・・・
夫の両親の介護をしているが、義理の妹から、両親の財産を使い込んでいるのではないかと、あらぬ疑いをかけられても困るので・・・。
子供の将来が不安・・・
自分が先立った後、知的障がいをもつ子どもの行く末が心配で・・・。
成年後見制度とは
成年後見制度とは、家庭裁判所から選ばれた成年後見人等が、認知症や知的障がい、精神障がいなどにより判断能力が十分でない方の
生活を支援し、
権利と財産を守る制度です。
支援の内容は支援を受けられる方の状態や財産状況により様々ですが、おおまかに
、財産に関する諸手続や
介護・医療契約締結の代理、
不要な契約の取り消し、
生活環境への配慮があります。
成年後見制度は大きく2つに分かれており、すでに判断能力が低下した方が利用するのが
【法定後見】、元気な方が将来に備えて利用するのが
【任意後見】になります。
法定後見を利用するには?
法定後見を利用するためには、家庭裁判所に対する申立てが必要です。以下が手続きの大まかな流れです。
1.医師の診断書や戸籍、財産関係資料等の必要書類の収集
2.裁判所に提出する申立書類一式を作成
3.後見等開始の申立て
(札幌家裁では申立て時に受理面接があります)
4.家庭裁判所による調査
5.医師による鑑定(省略されることもあります)
6.後見等開始の審判・後見人選任
任意後見を利用するには?
任意後見は、元気な方が将来に備えておくための制度です。
法定後見が【誰に、何を、いくらで】を裁判所が決めるのに対し、任意後見は自分で決めることができます。
任意後見を利用するには、公証役場において、任意後見人となる人の間で【任意後見契約】を結びます。
その後、ご本人の判断能力が低下したタイミングで家庭裁判所に【任意後見監督人】を選任してもらうことにより、支援がスタートします。
よくある質問
Q1 成年後見制度を利用するのにどれくらい費用がかかりますか?
A: 法定後見と任意後見でかかる費用は異なります。
項目 |
報酬 |
実費 |
法定後見開始申し立て |
88,000円(税込) |
裁判所所定の手数料(1万程度)
ケースによっては医師の鑑定料(5万程度) |
任意後見契約書作成 |
44,000円(税込) |
公証役場所定の手数料 |
その他の費用については下記の【費用一覧】をご確認ください。
»費用一覧
Q2 手続きにかかる実費には何がありますか?
A: 法定後見制度を利用するときの代表的なものとして、裁判所に納める収入印紙、郵券(合わせても1万円程度)、戸籍等の取得手数料、ケースによっては医師の鑑定費用(5万円程度)などがあります。
Q3 依頼をしてから後見人が選任されるまでにどのくらい期間がかかりますか?
A: 通常、申立までに2週間から1ヶ月程度(診断書を書いてもらうのに時間がかかります)、申立後、後見人が決まるまで、1ヶ月から2カ月程度かかります。医師の鑑定の有無や親族に対する意見照会の有無によって、所要期間は大きく変動します。
Q4 後見人には誰がなるのですか?
A: 親族や専門職後見人(司法書士、弁護士、社会福祉士等)の中から、事案の複雑さや親族の意向を考慮して、家庭裁判所が決定します。申立の段階で候補者を推薦することも可能ですが、必ず選ばれるとは限りません。
Q5 後見人には年間どの程度の報酬を払うことになるのですか?
A: 後見人の報酬は(司法書士の申立書作成報酬ではありません)、裁判所が本人の財産額と収支を考慮して決定します。一般的には月々2万円程度で、後見人が管理する財産の額によって増減します。
Q6 申立てにかかる費用(司法書士の申立書作成報酬や実費)は本人負担ですか?申立人負担ですか?
A 原則は申立人負担となっております。しかしながら、例外的に本人負担とされることもあります。本人と申立人のどちらが費用を負担するかは、本人の財産状況や本人と申立人の関係性により、最終的に裁判所が判断することになります。